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カメラと子育てと街歩き

ガジェットについて語る 第二回「mp3の黎明期」

1997年、世の人々がMDで喜んでいる時代、当時から自称WEB2.0の私はmp3というデータを扱っていました。

まだインターネットが多くの人々に広まる前の話です。

CDR装置がようやく広がりはじめ、CDの複製が可能となりはじめていました。


「デジタルコピー」がトレンディなIT先駆者たちを魅了し始めていました。

それと同時に、オーディオメーカーや音楽団体がデジタルコピーに関して神経質になり始めていた時代でした。




一般的に音源を無圧縮でデジタルで吸出しをすると1曲あたり50MBほどのWAVE形式ファイルとなります。

CDROMが一枚640MBバイトですので、アルバムが一枚12曲構成というの妥当な容量なわけです。




当時は28800~57600bpsモデムの時代であったため(今の100M時代の1/3472の速度)、1曲50MBというデータはネット上でや
りとりするには途方もなく大きいデータ量となります。また、HD量も数G程度が一般的であったため、多くの曲をPCに保存することは領域の圧迫のもととな
ります。

CDRでCDをコピーするだけではなく、音楽をPCに取り込みつつHDの圧迫をさけ、ネット上で流通をさせることはできないだろうか。

パワーユーザーたちのそうした願望の中、mp3というエンコード技術は生まれました。

無圧縮の1曲50MBの音楽ファイルがmp3というエンコード技術を使うことによって1/10程度のサイズになるという大変画期的な技術です。

約1/10となる「圧縮率」と44.1kHzの周波数のCDと大差のない「音質」が大きな注目要素となりました。

しかし、今の時代のように何でもやってくれるiTuneなどありません。

「知る者」のみが吸出しソフトやエンコードソフトを駆使してmp3を扱っていました。

mp3エンコードソフトの圧縮アルゴリズムは基本ソースを同じとしただけで、ソフトごとに微妙な音質の差がありました。

その中でも、日本で隆盛を誇ったソフトが「午後のこ~だ」というエンコードソフトでした。

マニアックな世界でした。今のiPodが振り撒くお洒落なイメージの微塵のかけらもありませんでした。




mp3の音質がよいといわれた理由として、PCというプラットフォーム固有の事情があります。

世のコアなオーディオマニアの方はオーディオ機器のインシュレータ(アンプ等の下に置く500円玉サイズの台座)に数万を払う方がおります。

しかし一方、PCでの音楽視聴とはその対称であり、非常に簡易で雑な環境の上になりたっています。

サウンドカードは内部回路ゆえ多大なノイズが載りやすく、スピーカーは共振しやすく軽いものが多用されています(金言:スピーカーは重ければ重いほどよい)。

そしてPC自体の動作音がノイジーでもあります。

つまり、CDの44.1kHz再生とmp3の128kbpsを同じパソコン上で再生した場合、未開なサウンド環境のため表現に差が生まれにくかったわけです。




PCに対しては、聴き手の求めるプラットフォームへの評価基準が最初から緩いのです。

「PCなのに」こんなにいい音を出せるのか。という話は今でも聞かれます。

あくまで「PCなのに」という下駄が最初から聴き手に存在するのです。

純粋に音楽をきくなら専用のオーディオコンポに勝るものはありません。

しかし、mp3の気軽さがアドバンテージとなり、厳格な音質判断を人は求めなくなります。

試しにPCの音声出力にイヤホンを差して聴いてみるといかにノイジーであるかがすぐわかるのですが。




これらの理由もあって、CDと同音質とうたわれたmp3はPCのパワーユーザーの間で広がりはじめました。

ネット上で5MB弱のファイルを公開するものもあらわれはじめました。

当時は不特定多数向けのP2Pソフトなどはなく、一部のmp3職人たちが自ら買ってきた新曲をmp3に変換してHPで公開するという形をとっていました。
そういったサイトが広まるにつれ、音楽団体からのしめつけも徐々に強くなり、日本のHPからは排除されていくようになりま

した。

今では信じられない話ですが、当時プロバイダーがmp3を排除するため、2MB以上のファイルは全てロボット検知で削除する方法をとっていました。そのた
め、公開者たちは1曲のMP3ファイルを5つほどに分割して公開していました。このロボット検知も2MB以上というファイルサイズがmp3以外ありえない
時代だったからこそできたわけです。

そしていよいよこの話の本題、携帯型mp3プレーヤー mp-manの登場となります。




ということで今宵はここまでに致しとうございます。(大河ドラマ 武田信玄より)