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サラリーマンバックパッカー 台湾編 まとめ "台湾の歴史と日本と中国"

 

1.今の台湾ができるまで

なかなか複雑である。

日本は日清戦争に勝利し、1895年の下関条約で清から台湾を入手。
1945年の敗戦まで50年間、台湾総督府を置いて植民地経営を実施。
一方、現在の台湾の母体となる政権は1910年代の中国で生まれた。

清朝が列強国の餌食になって末期でヤバイので、孫文が近代的な民主国家として中華民国を建国。(現在の台湾の母体)
しかし、清朝宣統帝(溥儀)の廃帝の代わりに、孫文が大統領のポジションを譲った袁世凱清朝の官僚)の政治ポリシーが強権的でイマイチ。
再びもめる。

その後、国民党の蒋介石が権力を握るが、日本軍や関東軍や北方の軍閥が出てきたり、毛沢東共産党が出てきたりして大変。
国民党と共産党国共合作して国内・対外の勢力と戦ったり、国民党と日本軍で共産党と戦ったりする。
その後、なんだかんだで日本は敗戦し、日本軍と関東軍は中国大陸および台湾から撤退。

日本がいなくなった中国大陸本土では国民党と共産党国共内戦が本格化。
ソ連の支援を受けた毛沢東共産党蒋介石の国民党を圧倒し、中国大陸で中華人民共和国を設立。
追われた蒋介石は台湾へ中華民国を遷都。

中国は共産党による中華人民共和国
台湾は国民党による中華民国
これが今の台湾の始まりだ。
 

2.日中戦争後の台湾内部の悩み

台湾内部からみると、統治者が清(~1895年) → 日本(1895~1945年) → 中華民国(1945~)と大きく変わった。
台湾では、中華民国時代以前から台湾に済む人々を本省人、以降に台湾に移ってきた人々を外省人と呼ぶ。

第二次世界大戦後、中国大陸から逃れた国民党が台湾に多くやってきたが、想像の通り、あまりうまくいかなかった。

外省人による内省人への圧政により反発が発生。内乱状態となる。
国民党による弾圧がおこなわれ、戒厳令が敷かれる。

イマイチな状態が続くが、月日の流れは外省人本省人の融合を進める。
 

3.台湾に対する諸外国の対応

冷戦期、西側諸国は中華民国を正当な中国の正当な国家としていたが、70年代にニクソンが中国に電撃訪問で方針転換。
共産党中華人民共和国を中国の正当な国家として承認。
これに各国が呼応。


日本も中華人民共和国と国交正常化。相手は君子周恩来
どこの国にも立派な人はいる。

これと引き換えに、中華民国(台湾)は各国から断交となる。
かわいそうな台湾。
 

4.中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の関係

内戦し合った間柄なので仲はよくない。
中国的には、台湾は中国の一部というスタンス。中華思想だ。
台湾的には、自分たちは中華民国という独立国。


朝鮮半島同様に、背後には東西対立。
台湾が独立色を強めると台湾海峡に中国海軍が出てきて示威行動。
それに反応して米国が空母派遣。
そんな時代が続いていた。
 

5.日本との関係

台湾が親日国であることは、

台湾総督府時代の近代化政策への一定の評価があること・国民党政権が反日を国家イデオロギーにしなかったこと李登輝の存在

によるところが大きい。


日本にとっては、残念ながら、現総統で外省人出身の馬英九は一般的に反日親中と言われている。
しかし、いい男だ。
それに、台湾での東日本大震災のチャリティー番組にはご夫婦で出演し、募金の電話受付をしてくれていたのはとても有難い。
 

6.中国との関係変化

現在台湾といえば、蒋介石でも馬英九でもなく、真っ先にfoxconやASUS、HTCなどの名前が出てくるだろう。
ICTプロダクトの先進国だ。
apple製品の多くは上記の台湾の企業群が製造を担っているし、DELLやHPのIAサーバの多くが台湾企業のOEM/ODMだ。


そしてポイントは、これら企業の生産工場の大部分が中国にあることだ。
となると、台湾の経済界、日本で言う経団連は中国との良好な関係を望む。
「独立」と言って中国を刺激したくない。

で、今の総統である馬英九親中派なので経済界からの支持は高い。
一方、国民からの人気はそこまでではない。独立色の強い民進党が切迫している。
経団連と国民のベクトルが必ずしも一緒ではない日本と同じだ。

経済中心であれば親中だが、国体は護持したい。
台湾の現状だ。
 

7.中国の狙い

中華思想への警戒論ではないが、やはり中国の出方を気にしなければならない。
経済力をつけた中国は今再び、対外膨張政策を進めている。

間接的には中東、アフリカへの巨額投資、直接的には新疆問題、日台越比への海上圧力である。

中国が東アジア各国と争っている領土問題で面倒なのは、単に海洋資源問題だけではなく、背景に軍事的思惑があることである。
中国海軍の太平洋の間口を作る目的を兼ねている。

中国は東アジアの海上を日台越比に囲まれており、海軍が自由に太平洋に出ていくには日台越比の海上ラインを突破しなければならない。
これを米国が警戒している。
 

8.日台越比による経済ブロック化と圧力外交

単一政権と軍部が一体化した中国に対して、他の民主国と同レベルの外交手段は通用しないのは周知の通り。
圧力をもった外交交渉が必要だ。


日本は相対的な経済力低下により、一国としての交渉力は以前に比べて欠いている。
利害を同じとした関係各国によるチェーンでの圧力外交が必要だ。

軍事的チェーンについては日台越比の防共ラインを米国が支援し、
経済的チェーンとして東アジア、東南アジアの経済ブロック化が対等外交の条件として必要となるだろう。

第二次安倍政権発足時の安倍、麻生、岸田の外遊はまさにこれを意識したものだと思う。
日本がこの盟主となりうる指導力を発揮できるか。

見守っていこう。