1.今の台湾ができるまで
なかなか複雑である。
清朝が列強国の餌食になって末期でヤバイので、孫文が近代的な民主国家として中華民国を建国。(現在の台湾の母体)
しかし、清朝の宣統帝(溥儀)の廃帝の代わりに、孫文が大統領のポジションを譲った袁世凱(清朝の官僚)の政治ポリシーが強権的でイマイチ。
再びもめる。
その後、国民党の蒋介石が権力を握るが、日本軍や関東軍や北方の軍閥が出てきたり、毛沢東の共産党が出てきたりして大変。
国民党と共産党が国共合作して国内・対外の勢力と戦ったり、国民党と日本軍で共産党と戦ったりする。
その後、なんだかんだで日本は敗戦し、日本軍と関東軍は中国大陸および台湾から撤退。
2.日中戦争後の台湾内部の悩み
台湾内部からみると、統治者が清(~1895年) → 日本(1895~1945年) → 中華民国(1945~)と大きく変わった。
台湾では、中華民国時代以前から台湾に済む人々を本省人、以降に台湾に移ってきた人々を外省人と呼ぶ。
第二次世界大戦後、中国大陸から逃れた国民党が台湾に多くやってきたが、想像の通り、あまりうまくいかなかった。
3.台湾に対する諸外国の対応
冷戦期、西側諸国は中華民国を正当な中国の正当な国家としていたが、70年代にニクソンが中国に電撃訪問で方針転換。
共産党の中華人民共和国を中国の正当な国家として承認。
これに各国が呼応。
4.中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)の関係
内戦し合った間柄なので仲はよくない。
中国的には、台湾は中国の一部というスタンス。中華思想だ。
台湾的には、自分たちは中華民国という独立国。
5.日本との関係
台湾が親日国であることは、
・台湾総督府時代の近代化政策への一定の評価があること・国民党政権が反日を国家イデオロギーにしなかったこと・李登輝の存在
によるところが大きい。
日本にとっては、残念ながら、現総統で外省人出身の馬英九は一般的に反日親中と言われている。
しかし、いい男だ。
それに、台湾での東日本大震災のチャリティー番組にはご夫婦で出演し、募金の電話受付をしてくれていたのはとても有難い。
6.中国との関係変化
現在台湾といえば、蒋介石でも馬英九でもなく、真っ先にfoxconやASUS、HTCなどの名前が出てくるだろう。
ICTプロダクトの先進国だ。
apple製品の多くは上記の台湾の企業群が製造を担っているし、DELLやHPのIAサーバの多くが台湾企業のOEM/ODMだ。
経済中心であれば親中だが、国体は護持したい。
台湾の現状だ。
7.中国の狙い
中華思想への警戒論ではないが、やはり中国の出方を気にしなければならない。
経済力をつけた中国は今再び、対外膨張政策を進めている。
間接的には中東、アフリカへの巨額投資、直接的には新疆問題、日台越比への海上圧力である。
8.日台越比による経済ブロック化と圧力外交
単一政権と軍部が一体化した中国に対して、他の民主国と同レベルの外交手段は通用しないのは周知の通り。
圧力をもった外交交渉が必要だ。
日本は相対的な経済力低下により、一国としての交渉力は以前に比べて欠いている。
利害を同じとした関係各国によるチェーンでの圧力外交が必要だ。