ラーメン虎ノ門店が閉店
2020年1月、元「ラーメン二郎 虎ノ門店」であり、現在は「ラーメン 虎ノ門店」でラーメンを食べていると、店主と他の客の会話が耳に入ってきました。なんと、翌週には閉店するとのことです。
虎ノ門二郎の思い出
若き頃、三田原理主義者だった私は、虎ノ門二郎のあっさりスープと細い麺が許せませんでした。
二郎を初めて食べたのは20年近く前の学生時代です。
当時の私は、三田に来ても授業には出ず、二郎だけを食べて帰宅するような親不孝者でした。
その頃、目黒や仙川などの直系二郎に対し、虎ノ門、神田、新橋はフーズ系二郎と呼ばれていました。
私はフーズ系二郎に対し、 「かような軟弱な麺とスープは二郎ではない。二郎とは、三田や赤羽(○二)、八王子のようであるべきだ。」と、金閣に勝手な夢想を重ねた若き僧状態でした。
三島文学に傾倒していた私は、アカデミズムの対極を二郎と捉え、両者を修めることで、三島の云うnoblesavage、高貴なる野蛮人になれると考えていました。(とはいえ全く授業に出ていませんでしたが)
日々、三田本店で大豚を食べ続けることにより己の精神が鍛えられ、今とは違う何者かになれる。と真剣に考えていました。
今思えば、樺山資紀もびっくりの根拠なき蛮勇ぶりでした。
そのようなことをそこはかともなく思い出しつつ、改めて営業最終日の虎ノ門二郎を訪問しました。
豚入りラーメン
ヤサイアブラカラメ
スープの酸味と、弾力ある中細麺の組み合わせが最高でした。
さらば虎ノ門二郎
再開発で街の様相が急速に変わりつつある虎ノ門。
新しくできるビル群には、最近流行りの外食ファンドが手掛けたラーメン屋が入ることでしょう。
それらは確かにおいしくできていますが、コンサルや資本の影が垣間見れ、独立店のように純粋な気持ちでは楽しめません。
ラーメン虎ノ門の真のうまさがようやくわかった今日この頃。
閉店は残念ですが、またいつか食べられる日を夢みて店を出ました。