前の記事でよい点を書いたので、いまいちな点も記してみます。
関連記事 2020-tokyo-olympic.hatenablog.com
- 1. MF撮影に手間がかかる&ピント外しがち
- 2. 高感度が弱く、ISOはほぼ100固定
- 3. ノイズが多い
- 4. ダイナミックレンジが狭い
- 5. モアレ・偽色が出やすい
- 6. ボディ内手ぶれ補正が使えない
1. MF撮影に手間がかかる&ピント外しがち
Magic Lanternの動作対象となる旧世代のEOSシリーズは、動画撮影時のAFが非常に遅いです。
また、AF選択時は画面拡大によるピント確認ができません。
狙ったところに本当にピントが合っているのかわかりません。
そのため、
- 奥行きのある空間で、特定の被写体を狙ってフォーカスを当てたい撮影にはAFは使えず、MF。
- 一方、特定の被写体にフォーカスを当てず、広角で景色全般を撮るような場合にはAFでも問題ない。
と言えます。
私は被写体にフォーカスをあて、なるべく背景をぼかしたような絵を撮りたいので、MFを使うしかありません。
これは手間であり、なおかつフォーカス具合を細かく確認している余裕のない子供撮影では、けっこうピントを外して使えない映像を生み出してくれます。
苦労して撮影し、rawからmovへの変換等を経て、いざ編集ソフトに映像を読み込んでピント外しがわかると、結構残念な気持ちになります。
一方、マニュアル撮影は手間ですが、非常に面白い部分でもあるので、よさについては今度記したいと思います。
2. 高感度が弱く、ISOはほぼ100固定
この世代のEOSは高感度が弱いです。
ISO800でノイズや描写の粗さが目立ち始め、1600や3200は使いたくないです。
ビデオ撮影時は基本的にISO100で固定です。
しかし、室内の場合はISO100では暗すぎる場合があります。
その際はISOは400までは上げ、開放1.4〜2.8等の明るいレンズで撮影しています。
高感度処理は画像エンジンの進化と密接なので、旧世代のカメラではあきらめるしかないです。
3. ノイズが多い
特に暗部のノイズが多い。
スマホでの視聴では問題ないですが、大画面モニタで見ると結構気になります。
編集工程でのカラーコレクション、カラーグレーディングにおいて、暗部を明るくすることにより、ノイズはさらに目立ってしまいます。
そのため、できる限りノイズが発生しないような撮影が必要です。(順光でメインとなる被写体を明るく撮影)
4. ダイナミックレンジが狭い
ダイナミックレンジが狭く、明暗差が激しい映像が苦手です。
空と木陰の両方を写すシチュエーションにおいて、空が白飛びしないように露出を空の明るさに合わせると、木陰は真っ暗になります。
編集工程において暗部を明るくすると、上記3のノイズの問題が出てきます。
5. モアレ・偽色が出やすい
タイル地のビルの外壁、エアコンの室外機など、モアレ・偽色が盛大に表れます。
現像工程のMLV Appでanti aliasing処理をしても、あまり抑えることはできません。
6. ボディ内手ぶれ補正が使えない
これにより、
- 手振れ補正がないレンズでは、撮影方法はFixスタイルのみ(パンやチルト、追従といった撮影方法には向かない)
- 手振れ補正がないレンズでは、50mm以上は難しい(編集工程での手振れ補正でもカバーしきれない)
となります。
手振れ補正付きのレンズをつければよいのだが、携帯性や機動性が大幅に低下します。
Magic Lanternの醍醐味は、EOS Mのような小型カメラでraw動画を撮れるところなのですが、レンズの大型化が残念要素となります。
私は
携帯性優先の時
手振れ補正はあきらめ、EF-M 22mm F2.0やTTArtisan 35mm F1.4の単焦点
手振れ補正かつ携帯性も確保したいとき
EF-M 18-55mm F3.5-5.6(手振れ補正付き標準ズーム)
携帯性は犠牲にしてレンズの明るさと手振れ補正を得たいとき
SIGMA 17-50mm F2.8
というような選択をしています。
というように、イマイチな部分は結構あるのだが、それ以上に撮影が楽しく、アウトプットがgood(映像が綺麗)なので、使っていこうという気になります。